2009年11月01日
心理的効用最大化のためのボラティリティコントロール(3)
■損益変動を生み出すということ
損益の変動の大小をイメージしやすいように、縦軸に頻度、横軸に損益をとったときの、賭け方による分布の形状を描いてみます。
(実際はこういった正規分布にはならないことが多いですが、今回はわかりやすいようにこのようにしています。また、期待値は負なので全体に左よりの分布となります。)
青が分散が小さい、すなわち(勝率は高いが)大きなあたりが望めない賭け方の分布となり、損益の裾野が狭いことがわかると思います。
逆に赤は分散が大きい、すなわち(勝率は低いが)大きなあたりが望める賭け方の分布となりますので、損益の裾野が広くなります。
したがって、この裾野を広げる賭け方をすることで、ギャンブルの醍醐味をより味わえるようになるといえます。
さて、損益の変動を大きくする賭け方には、以下のふたつのやり方があります。
1.賭け金を増やす
2.オッズの大きな対象に賭ける
ただし、今回は楽しむことを目的としており、かつ期待値は負であることを前提としていますので、賭け金を増やすのはあまり賢い選択とはいえません。
ということで必然的に穴狙いの賭け方を選択することになります。
しかしながら、こういった穴狙いの賭け方の場合、同時に当たる確率が低くなるというジレンマも抱えることになります。
競馬場に出かけて開催されている12レース穴馬券を買いすべて外してしまうと、さすがに楽しい気分で帰ることはできないと思います。
勝率と変動の大きさのトレードオフをうまくバランスしながら、ギャンブルの醍醐味を現実的な出費の範囲内で楽しむ、そういった技術を確立できれば、ギャンブル中毒に陥ることなく、クールに楽しく興奮できる時間を創造できるでしょう。
では、次回はその一例として私の賭け方を披露しましょう。
(つづく)
【KonSin】
2009年10月25日
心理的効用最大化のためのボラティリティコントロール(2)
■様々なギャンブルにおける顧客行動の類似傾向
ギャンブルにおいて、人は何を求め何を楽しみとしているかを知るために、いくつかのギャンブルにおける人々の行動における類似的傾向を考えていきましょう。
まずはパチンコですが、人気機種である”花の慶次”や”北斗の拳”、”GARO”などは、作りこみがしっかりしていることもありますが、最大のウリは”連荘確率の高さ”であり、関連雑誌や店頭でも”継続率80%!!”といった表現が前面に出ています。
パチンコの基本的な話をしますと、台の回収率を一定とした場合、連荘確率の高い台は初当たり確率が低く、逆の場合は初当たり確率が高いように設定されています。
すなわち、上記の機種は”一発あたればでかいが、当たるまでに大金をつぎ込まなければならない”傾向があるのです。
また競馬でも、第三期の授業の教材とした下記の馬券形式における投票数の違いに、その傾向が見てとれます。
回収率でいえば、単勝馬券と複勝馬券は5%の特別給付金がついているので、他の馬券よりも期待値基準においては有利なのですが、馬券の売り上げは相対的に低い傾向にあります。
加えて、オッズが高いとさらに期待値は下がる(これは意外と知らない人が多い)にもかかわらず、オッズの最も高い馬券が存在する三連単の馬券が最も売れているという逆相関の関係にあります。
もちろん基本期待値が負の場合、払い戻し金の分散の大きさを活かすために三連単を狙う手はありなのですが、おそらくオッズの高いこれらの馬券を買っている人の大半はそういった原理を考慮しているのではなく、単に”大勝したい”という本能的な欲求に基づいて行動していると推察されます。
さらに麻雀でも、8種8牌から国士無双を狙ったり、親がリーチをかけているのに明カンでドラを増やしたりする無茶な友人もいました。
当然のことながら彼は我々と麻雀をやったトータルでは負けているのですが、それでいていつもニコニコして楽しそうに卓を囲んでいたのが印象的でした。
最後にギャンブルではないですが、一時期とある家電量販店で”100人に1人お買い物代金無料!”というキャンペーンをやっていました。
100人に数百円値引きするのと同じコスト負担でありながら、そうったポイントアップキャンペーンよりも売り上げが伸びたという報告があります。
これも顧客の効用関数の非対称性をうまく利用したマーケティング施策といえます。
さて、このようにギャンブル全般をつぶさに観察してみますと”一発大きな当たりを引くことが可能な賭け方をすることよって心理的効用(楽しみ、興奮の度合い)を最大化する”という顧客行動の類似傾向を見出すことができると思います。
つまり、ギャンブルを楽しむためには”いかに損益の変動を大きくするか”がポイントとなってきそうです。
(つづく)
【KonSin】
2009年10月18日
心理的効用最大化のためのボラティリティコントロール(1)
■趣味としてのギャンブル
先日、久しぶりに東京競馬場に行ってきました。
年に2、3度くらい、天気の良い日に思いついたように足をはこびます。
当日はこの季節にしては日差しが強かったのですが、青空と一面の芝生を眺めながら焼きそばと牛丼を一度にほおばるのは、なかなかに至福のひと時。
馬券は・・、秋華賞の3番人気ブロードストリートの単勝(10倍くらい)にこれまでのレースの勝ち分2,000円を全額ベットして玉砕しました・・。
あとでパトロールビデオを見ると、ブエナビスタの斜行によって馬が立ち上がるほどの不利があったみたいで、普通に行けば勝ち馬のレッドディザイアを差していたほどの追い込みを見せていただけに残念でしたが、入場料や飲食代を含めて一日4,000円くらいで十分楽しめたので満足して家路につきました。
私は、シストレでは損益の期待値を十分得ることに100%集中しますが、競馬や麻雀などのギャンブルでは、心理的な効用を最大化することに100%集中するように心がけています。
すなわち、シストレは期待値が正で期待効用値が負、ギャンブルは期待値が負で期待効用値が正という形で切り分けて考えるということです。
こういう考え方は別段特殊なこととは思ってはおらず、たとえば後者はみなさんがディズニーランドで5,800円の入場料を支払って思いっきり楽しむ行為と同じなのです。
つまり、オリエンタルランドに5,800円を支払うという行為は損益の期待値は当然負であり、そこで楽しむという行為は心理的な効用としては正ですよね。
そして、その効用の値を最大化するために、事前にファストパスの取り方を研究したり、おいしいレストランを調べておいたり、エレクトリカルパレードの場所取りをしたり、ミッキーのカチューシャを身につけたりする(私は死んでもやりませんが・・)わけです。
しかし、ギャンブルの場合はディズニーランドと違ってお金の戻しが生じるため、そのあたりがあいまいになってしまい、したがって期待値も期待効用値も最大化しようという無理な希望を抱いてしまうところがやっかいなのです。
私の見解としては、そのふたつを両取りすることは難しいと考えていますので、シストレとギャンブルとの関わり方に関しては、前述したように得るものを明確に切り分けているわけです。
そして、その前提にたったとき、心理的効用を最大化するために重要な要素が”ボラティリティのコントロール”なのです。
(つづく)
【KonSin】